考える力。

日本の野球は世界の野球のマーケットに比べると年俸にしても、環境にしても、すべてにおいて恵まれている国です。これまでの発展には野球界に関わってこられた先輩方の多大なる努力によって築き上げられたものであり、野球人としてその感謝を忘れてはなりません。

しかし、恵まれているが故にその弊害として多くの野球選手にはグラウンドの上で考える力が乏しいように感じます。野球だけやっていればいいというような風潮があり、恥ずかしながら自分もそうでした。現場では練習メニューが決められ、流れ作業の中で腰を落とせ!肩を開くな!声を出せ!などの抽象的な指導の声がグラウンドに響き渡り、考えるスキを与えません。これだけに収まりませんが、あえて選手に考えさせないようなところもあるように思います。

自分が見ている選手達にはその弊害を埋めるべく、指定した本を読んでもらって、その感想文を書いてもらっています。その意図としては、野球がうまくなりたいと誰もが思いながらも、野球は多くのやるべきことがたくさんあります。これもやらなきゃ、あれもやらなきゃと目標設定が曖昧になり、抽象的になっていきます。そのため練習がルーティン化され、目的意識も徐々に薄れていきます。

自分のしっかりとしたビジョンを持ち、実現するための方法論を考えて見つけ出し、それを実行に移す。そして必要があれば修正する。ここの根幹をぶらない考え方を身につけてもらいたいと読書を通じて学んでもらっています。

野球は考える力で身体的なマイナスも補えるスポーツですから、メディアでも報道され始めているWBCでも選手だけの力でなく、ブレーンの役割を果たす人たちの力も大きく影響してくると思います。

 

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