海外に行って、数字以上に大切なこと。

日ごろ、少年野球から大人、プロを目指す選手達の指導をさせてもらっています。

その中で個別に野球選手に必要な考え方、ノウハウを伝えていますが、キャリアアップのお手伝いの一環でチーム探しをすることもあります。国内はもちろん、海外は特に様々な国の様々なチームの担当者とメールや電話で連絡を取り合いながら日々コミュニケーションを取っています。

そんな中で、とある国のチームの友人からこんな話がありました。

「日本人選手でとても嫌な思いをしたことがあるから、うちは日本人選手はチームに入れることができない。英語は話せなくてコミュニケーションには消極的だし、学ぶ姿勢も見られないし、チームのイベントにも参加しない、その上に野球の技術も不十分だった。これは日本人エージェントからの話で、日本人は好きだから受け入れたけどチームにも個人的にも残念な事だった。」

彼はとてもおおらかで、ナイスガイでしたが、自分自身もこの話を聞いてとても残念に思いました。タイトルにある通り、チームに必要とされているのは数字だけではありません。そこに気付けない選手は数字も残らないし、キャリアアップして行く事はできません。必ずどこかで淘汰されます。

特に日本やアメリカのようにマーケットが成熟していない国でプレーするときには、成績以上にその立ち振る舞いやチームやその地域に良い波及効果を残してくれるかどうか。その国の野球を今後支えてくれるであろう子供達にどんな育成ができるのか。グラウンド以外の部分をとても求められているように思います。

自分がオーストリアで監督させてもらったときには、契約書にもそういう条項を明確に盛り込まれていましたし、その進捗も毎週メンバーと情報交換することもありました。

 

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地域の学校の授業にて

 

2012年にチェコで日本人として初めて契約したシーズンは選手としてプレーしながら、2部リーグでコーチをしていた経験がありますが、オーストリアの時ほど役割が少なかったけれど、チームのイベントや決起集会、子供のベースボールキャンプ、地域の学校訪問など色々な役割がありました。

 

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キッズのサマーキャンプの様子

 

このようにプレーすること以上に必要なことがあります。先ほどの友人からのコメントにあるように、日本人は獲得できないと言われることも増えてきたように感じます。外国で志を持って指導している人材がいたり、アメリカの厳しい競争社会の中でなんとか生き残ろうと歯を食いしばっている仲間もいます。日本人のパスポートを持っていく以上は日本人として見られますし、その場所では日本人=その選手という印象になりがちです。

だからこそ海外でプレーすることを選択肢に考える選手、また海外でプレーしている選手達には特に数字以上に大切なことがあることを理解してほしいと思います。

プレーだけで自分表現したい選手は、日本国内やアメリカをおすすめします。

 

 

 

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