先日、日本を代表する大打者である門田博光さんが逝去されました。
門田さんとの接点は2011年。関西独立リーグに所属するチームで監督と選手として1シーズン過ごしました。わずか1シーズンですが、たくさんの思い出が残っています。そして、同時に門田語録も私の中に刻まれています。
シーズン当初、そんなに門田さんとの距離感は近しいわけではありませんでしたが、あるチーム内でのいざこざをきっかけに積極的に声をかけてくれるようになったり、食事に連れて行ってくださったり、いろんな話や哲学を聞かせてもらうようになりました。
例えば野村克也さんとの本当のエピソードや鶴岡一人さんとの話、ブーマーとハイタッチしたあの有名な話、プロ入りしてからどうしてホームランを量産できたのか?本当に贅沢でてんこ盛りの日々でした。
独立リーグでしたから、環境も待遇も当時は最悪でしたが、辞めずに歯を食いしばって留まった理由の一つに門田さんの存在がありました。
門田さんは「どうせカネもらってないんやろ?」と言い、試合でヒットを打てば賞金としてポケットマネーから選手達に「これで飯食え」と言いながら、封筒に一言添えた手紙と”賞金”が渡されました。
ホームランを打った時にはいつもより少し多い”賞金”と手紙には「きれいな花火をありがとう・・・」と記されていました。いまでもその時の手紙と賞金はそのままとってあります。このホームランを「花火」と表現するのも門田節の一つです。
また、当時NPBを目指していた自分にシーズン終盤、こんなお告げを口にしました。
「お前は面倒見がいいから指導者に向いてる。責任は俺が取るから采配はお前がせい」と。
指導側に立つなどとは全く思っていなかった頃でしたから、めんどくさいから押し付けたんだろうと当時思っていましたが、今では夢と希望と目標を持つ若者たちと向き合う日々です。
そんなお告げの報告をしようと、実は何度か手紙のやりとりはしていたのですが、2年前にきっかけがあって会いに行ってきました。
扉が開かれて第一声、「誰やっ!」とやせ細った体に精一杯の声で威嚇する様は、まさしく門田博光でした。
「田久保です」と返すと、「お~!たーか」と微笑んだ表情を見せ、「たー」と呼ばれていた当時を懐かしく感じました。10年経って覚えてもらっていたことも光栄でした。ですが、その時に体調が相当良くないんだろうと見てすぐわかりました。その後の10年と野球界で起きている事象の話などを1時間ほどして、帰り際に門田さんが奥の部屋へ行って、あるものを持ってきてくれました。
門田さん 「ネットで売れるやろ(笑)」
田久保 「門田さん、もう門田さんのこと知ってる人少ないから売れませんよ」
門田さん 「そーか、お前らしいわ!」
恐れ多いですが、こんなやりとりが最後になってしまいました。
時代は新しいものばかりを追いかけて、古き良き時代のものを軽視しがちな昨今ですが、古き良きものをブラッシュアップする事も今の時代を生きる者の役割や使命だと思います。
門田さんは間違いなくプロ野球界を盛り上げ、プロ野球の発展に貢献した人です。その時代があって今がある事を改めて我々は理解する必要がある気がしています。そんなことを思いながら、また目の前のことに取り組んで行きたいと思います。
ご冥福をお祈りいたします。
※ 「人にはいくら嫌われてもええ。おてんとさまには嫌われないように生きなさい。」そう教えてくれました。ありがとうございました。
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